Japanese
English
原著
ブライト氏病に於けるクリアランス法による腎機能の觀察
The Study on Renal Function of Bright's Disease
幸野 正平
1
Masahira KOHNO
1
1慶應大學醫學部内科教室
1Keio Univ. School of Med. Dep. of Int. Med.
pp.179-184
発行日 1953年7月15日
Published Date 1953/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200102
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緒言
腎臟の機能を知る方法として種々の檢査法があるが,血液非蛋白窒素および尿含窒素物質中の最大を占める尿素を測定することが從來行われていた。しかしそれらの測定によつては輕度の腎機能障害を見出すことは困難である。このためにAmbardは血中および尿中の尿素の同時測定を行つて,腎機能を算出する方式(Ambard formula)を創案した。しかしその後Van Slyke等は尿素排泄に關する詳細な研究を行い1),Ambard form—ulaの必ずしもすべての場合に適合しないことを發見し更にクリアランスなる概念を提出して,その臨床的價値は早くより英米に於て認められていた。
クリアランスとはある物質がある臟器の機能によつて血液または血漿から除かれる場合,單位時間に何ccの血液または血漿がその物質についてClear (清掃)されるかを表わすものである。Pをその物質の血漿中濃度,Uを尿中濃度,Vを1分間尿量とすれば,腎クリアランスは一般に,C=U.V./Pなる式で表わされる。
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