Japanese
English
特集 頭痛
シンポジウム
内科方面
HEADACHE IN INTERNAL MEDICINE
冲中 重雄
1
Shigeo Okinaka
1
1東京大学冲中内科教室
1Department of Okinaka's Internal medicine, University of Tokyo, School of Medicine
pp.593-602
発行日 1960年7月1日
Published Date 1960/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200950
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頭痛は各種身体症状の中で最もしばしば見られる重要なものでありますが,その研究にはいろいろ困難を伴うものであります。例えば頭痛は他の神経学的徴候に比べまして,患者の訴える『最も自覚的な』症状の一つでありますので,その診断に当つてはその評価がしばしば困難でございます。頭痛を主訴とする場合は兎に角といたしまして,軽い頭痛は一般に一過性の場合が多く,単なる発熱とか,過労,不眠,精神的緊張,月経或は薬剤の副作用などでも簡単に起りますし,之等の頭痛を,患者のもつている内科的疾患と結びつけることは無意味な場合さえ少なくありません。更に第1表,第2表に示しますように,頭痛のMe-chanism或は頭痛の原因疾患は甚だ多岐に亘り,しかもこれらの頭痛の現われ方,強さ,性質,部位,持続時間など千差万別であります。従つて,これらをただ一律にKopfschmerzen, headacheということだけで片づけてしまうには,余りに広範囲な内容を含んでおると申さなければなりません。与えられました主題は"頭痛の内科方面"というのでありますが,凡ゆる内科疾患について上述のように複雑多岐な頭痛の特質を述べることは,到底できないことでありますので,時間の関係上主要な内科疾患の2,3に限定しまして,主としてその頻度についてお話しいたすことにいたしますので,予め御了承願いたいと思います。
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