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特集 最新の心房細動治療戦略―長期持続性心房細動に対するアブレーション
左心耳閉鎖術による塞栓症予防
Left Atrial Appendage Closure:Alternative Therapy for Stroke Prevention in Atrial Fibrillation
松尾 弥枝
1
Yae Matsuo
1
1群馬大学医学部附属病院循環器内科
1Department of Cardiology, Gunma University Hospital
pp.251-255
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102428
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はじめに
心房細動(atrial fibrillation;AF)はありふれた不整脈で,高齢化に伴って増えつつある疾患の一つである.治療の主軸は,①心不全治療,②アブレーションや抗不整脈薬などによるリズムコントロール,③レートコントロール,④塞栓症予防であり,AFの性質,自覚症状の有無,心不全合併の有無,心機能や左房の形態,腎機能や年齢をはじめとする全身状態,日常生活動作(activities of daily living;ADL)レベル,服薬アドヒアランスなどを踏まえて個々の患者に応じた治療を選択する.AFにおける脳卒中の発症率は洞調律の5~7倍とされ,塞栓症予防は,心不全やリズムコントロール,レートコントロールからは独立した,重要なストラテジーである1,2).心原性脳梗塞は他の脳梗塞の病型と比べて重篤化しやすく,高い致死率ばかりでなく,発症によって著しいADL障害を来すため,患者QOLの低下は免れない3).医療コストの面からも,脳卒中は要介護となる主たる原因疾患のトップであり,心原性塞栓症とりわけ脳卒中の予防は社会的にも大きな課題である.
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