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Current Opinion
虚血性心疾患に対する低出力体外衝撃波治療
Extracorporeal Low-energy Shock Wave Therapy for Ischemic Heart Disease
伊藤 健太
1
,
下川 宏明
2
Kenta Ito
1
,
Hiroaki Shimokawa
2
1東北大学大学院循環器先端医療開発学
2東北大学大学院循環器内科学
1Department of Innovative Cardiovascular Medicine, Tohoku University Graduate School of Medicine
2Department of Cardiovascular Medicine, Tohoku University Graduate School of Medicine
pp.279-284
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102178
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低出力体外衝撃波治療の概説
[1] 背景
虚血性心疾患に対する治療は,食生活を含めた生活習慣の改善を基本に,①薬物療法,②カテーテルインターベンション(percutaneous coronary intervention;PCI),③冠動脈バイパス手術(coronary artery bypass grafting;CABG)の3本柱から成る.わが国では,薬物療法や治療技術の進歩により心疾患患者の死亡率は低下しており,例えば,急性心筋梗塞の院内死亡率は,この30年間で激減している1).その一方で,治療技術の進歩と人口の高齢化に伴い,重症虚血性心疾患患者の数が増加しており,医学的にも社会的にも,新しい治療法の開発が望まれている.近年,虚血性心血管疾患に対して様々な再生医療が試みられているが,これらの治療では,遺伝子や未分化細胞の採取や送達のために,骨髄穿刺や開胸操作といった侵襲的な手術処置を伴うことが多く,患者の身体的負担は大きい.そこでわれわれは,低出力の衝撃波を用いた低侵襲性の治療法として「低出力体外衝撃波治療」を開発し,培養細胞や動物を用いた基礎的検討の結果をもとに,臨床試験を行っている2~4).
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