特集 外来でできる運動器疾患に対する最先端保存療法
痙縮に対する体外衝撃波治療
見目 智紀
1,2
1北里大学病院リハビリテーション科
2北里大学医学部整形外科学
キーワード:
痙縮(spasticity)
,
体外衝撃波治療(extracorporeal shock wave therapy;ESWT)
,
拡散型圧力波(radial pressure wave;rPW)
,
集束型衝撃波(focus extracorporeal shock wave;fESW)
Keyword:
痙縮(spasticity)
,
体外衝撃波治療(extracorporeal shock wave therapy;ESWT)
,
拡散型圧力波(radial pressure wave;rPW)
,
集束型衝撃波(focus extracorporeal shock wave;fESW)
pp.18-23
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000001933
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・痙縮に対する体外衝撃波治療(extracorporeal shock wave therapy;ESWT)は疼痛だけではなく,modified Ashworth scaleやmodified Tardieu scaleなどで機能面の改善が得られる。
・治療のメカニズムとしては,神経周囲の炎症軽減,神経筋接合部の破壊が確認されている。
・照射部位は筋腹,筋腱移行部が報告されているが,下肢では筋腹のほうが有効性は得られやすい。照射の際に痛みを伴う可能性があるが,局所麻酔を必要とする意見は少ない。
・治療効果に総照射エネルギー量だけではなくエネルギー流速密度(energy flux density;EFD)も影響し,動物実験上1回のEFDは0.09 mJ/mm2(2bar)以上が望ましいと考えられる。しかし,痛みとの兼ね合いもあり,筋緊張の改善は2bar未満でも確認されている。
・ボツリヌストキシン療法(BTx)との併用により治療効果が上がるとの報告があるが,ESWT後のBTxは治療効果が下がる報告がある。
・皮下出血や照射時の痛みに関しては事前にしっかりと説明が必要である。
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