特集 間質性肺炎 徹底討論!—鳥からは逃げられない過敏性肺炎,放置してよいのかILA
Ⅱ.総論
間質性肺炎の合併症について
宮本 篤
1
1虎の門病院呼吸器センター内科
pp.348-358
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200472
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Point
・慢性線維化性間質性肺疾患の患者の合併症に対する日常臨床の問題点として,3つの課題を挙げて概説した.
①急性の息切れを認めたら何を考えるか?:急性疾患で命に関わる急性呼吸不全へと進展する可能性があり迅速な鑑別,治療方針の決定が求められる.
②慢性の息切れの増悪を認めたら何を考えるか?:近年様々な慢性線維化性間質性肺疾患が進行性経過をたどる慢性線維化性間質性肺疾患のフェノタイプ(progressive fibrosing interstitial lung disease:PF-ILD)という包括的概念で捉えられるようになった.疾患にかかわらず「進行性である」ことが定義されて,抗線維化薬やステロイドなどの抗炎症薬の導入,変更などの指標となりうる.また,間質性肺疾患の進行以外に,慢性の息切れ増加の鑑別診断が重要である.
③間質性肺炎治療中に結節/浸潤影をみたら,何を考えるか?:HRCTフォローアップでは肺癌などの合併に留意すべきである.
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