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特集 大震災と循環器・呼吸器疾患
大震災と急性冠症候群
Massive Earthquake and Acute Coronary Syndrome
中里 和彦
1
,
竹石 恭知
1
Kazuhiko Nakazato
1
,
Yasuchika Takeishi
1
1福島県立医科大学循環器・血液内科学講座
1Department of Cardiology and Hematology, Fukushima Medical University
pp.903-909
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102041
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はじめに
大災害時に急性冠症候群を含む心血管系の内因性疾患が増加することはよく知られている.災害による急性冠症候群誘発のメカニズムとしては,①血管運動反射の異常亢進,②交感神経刺激(血圧の上昇を含む),③環境の悪化,④血栓傾向などが挙げられている1,2).2011年3月11日に発生した東日本大震災では実際どうであったのであろうか.震災から1年が経過した時点でわれわれが経験してきたことを,特に福島県で得られたデータをもとに過去のレポートと比較しながら報告したい.災害には地震以外にも気象(台風や竜巻など)や火山噴火,さらには戦争などがあるが,日本が直面する問題としては,発生時期が予測できない巨大地震が筆頭であろう.そこで本稿では大地震に主眼を置いて考察したい.
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