Japanese
English
特集 全身性疾患としての睡眠時無呼吸症候群(SAS)
間欠的低酸素とSAS
Intermittent Hypoxia and Sleep Apnea Syndrome
谷澤 公伸
1
,
陳 和夫
2
Kiminobu Tanizawa
1
,
Kazuo Chin
2
1京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
2京都大学大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学
1Department of Respiratory Medicine, Graduate School of Medicine, Kyoto University
2Department of Respiratory Care and Sleep Control Medicine, Graduate School of Medicine, Kyoto University
pp.831-835
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102024
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はじめに
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome;SAS)には閉塞型と中枢型が存在するが,閉塞型睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome;OSAS)は肥満,上気道の解剖学的な形態などに起因し,繰り返される低呼吸/無呼吸イベントを特徴とする.低酸素/無呼吸イベントは間欠的低酸素血症,睡眠の分断化,胸腔内圧の変化を伴う.この結果,酸化ストレス,炎症,交感神経系といった経路が賦活化され,血小板機能,凝固能,接着分子,各種メディエーターを介して,高血圧,インスリン抵抗性,さらには心・脳血管障害を生じるとされている(図1)1).これらのなかで,間欠的低酸素血症はOSASおよびチェーンストークス型呼吸(Cheyne-Stokes breathing;CSB)などの中枢型睡眠時無呼吸症候群(central sleep apnea syndrome;CSAS)に特異的な病的現象であり,SASの病態を理解するうえではその意義を解明することが不可欠である.本稿ではわれわれの近年の臨床研究に基づいて,間欠的低酸素が生体に与える影響を概説する.
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