特集 低酸素に打ち克つ
序文
低酸素に打ち克つ
佐藤 晋
1
1京都大学大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学
pp.324-325
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200748
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生命活動に不可欠な酸素状態の維持は,呼吸器の精緻な構造と機能に依存した換気・ガス交換により構成される「呼吸」によって達成される.呼吸器の機能障害を有する呼吸器疾患診療において,酸素状態の維持は重要課題である反面,呼吸の不全・病的状態においてどのように介入・維持するかは,容易なことではない.
酸素状態の異常には,低酸素状態と高酸素状態があり,低酸素状態には持続的低酸素,間歇的低酸素という異なる特徴を有する状態がある.哺乳動物としての進化の過程まで振り返って観ると,現在と地球環境の酸素レベルは必ずしも一定ではなく,数千・数万年規模での環境変化という視点から観ても,多くのことに気付かされる.こうした生命の神秘を感じ,本企画を立案した.
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