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Current Opinion
レニン阻害薬は有用か?
Effectiveness of Direct Renin Inhibitor
浦田 秀則
1
Hidenori Urata
1
1福岡大学筑紫病院循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Fukuoka Uriversity Chikushi Hospital
pp.769-773
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102010
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レニン阻害薬に関する概要
レニン・アンジオテンシン系(RAS)の抑制には薬理学的にはRASの各レベルでの抑制が可能である(図1)1).
アンジオテンシン(Ang)Ⅱの産生を抑制するアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシンⅡ受容体をAngⅡと拮抗的に阻害するアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)は,臨床的にも応用されその効用が証明されている.ACE阻害薬はAngⅠからAngⅡへの返還を阻害し,また一方,ブラジキニンの分解を抑制する.レニン阻害薬はRASを最も上流で阻害し,ACE阻害薬やARBによるポジティブフィードバックで活性化されるレニンを阻害することから理論的には他のRAS阻害薬とは動態を異にするRAS阻害薬である.レニン阻害薬の投与によりAngⅠおよびAngⅡの生成が阻害されるためレニン基質(アンジオテンシノーゲン)との反応から産生されたAngⅠの代謝を含めてRASの各ステップを阻害する可能性がある.
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