Japanese
English
Bedside Teaching
急性喉頭蓋炎
Acute Epiglottitis
黒野 祐一
1
Yuichi Kurono
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
1Department of Otolaryngology, Faculty of Medicine, Kagoshima University
pp.77-82
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101615
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はじめに
急性喉頭蓋炎は咽頭痛や嚥下痛,そして呼吸苦を主訴とするため,患者の多くは耳鼻咽喉科を受診する.しかし,発症初期で症状が軽微な時や,近くに耳鼻咽喉科医がいない場合には,他領域の医師が本疾患を診ることになる.急性喉頭蓋炎はその病名が示すとおり喉頭蓋の炎症であり,喉頭鏡や喉頭ファイバーで喉頭所見を確認すれば容易に診断できるが,喉頭鏡などによる診察をルーチンに行わない一般医家は本疾患を見落としてしまう危険性がある.また,本疾患はたとえ診断できても急速に気道狭窄を来して救命できない症例があり,耳鼻咽喉科医にとっても初期の対応に苦慮させられる疾患の一つである.本疾患の誤診や気道確保のトラブルで訴訟が絶えないのは,その診断や治療が決して容易ではないことを示していると思われる.
そこで本稿では,本疾患の診断や治療,処置について概説するとともに,耳鼻咽喉科以外の医師が特に留意すべき点をまとめてみたい.
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