Japanese
English
特集 血管の非侵襲的な評価法のインパクト―その意義と最新研究
血管機能とは何か?
Assessment of Vascular Function
吉田 雅伸
1
,
冨山 博史
1
,
山科 章
1
Masanobu Yoshida
1
,
Hirofumi Toyama
1
,
Akira Yamashina
1
1東京医科大学第二内科
1Second Department of Internal Medicine, Tokyo Medical University
pp.863-869
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101537
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
ヒトの血管は心臓に始まり,全身の組織を灌流してまた心臓に戻る閉鎖管状系である.その長さは10万km,地球2周半分になると言われ,生命活動に必要な酸素や栄養分,老廃物,水分を全身に運ぶ大切な役割を果たす.人は血管とともに老いると言われるが,血管の老化は生まれた時から始まり20歳頃より進行が速くなる.動脈硬化性疾患の発症は血管病変の形態的変化により生じるが,こうした疾患の発症する以前から形態的ないし機能的な障害が生じていると考えられている.表1に血管障害評価の目的で使用される検査の主なものを列挙する.日常診療で用いられている血管病変の機能的変化を評価する検査の主要目的は,こうした疾患発症の危険性の高い症例,あるいは将来疾患発症の危険性が高まる症例の検出,さらに治療によるその危険性軽減を評価することにある.
本稿では血管機能について,まずその理解に必要である動脈の構造・生理・役割につき概説し,非侵襲的に簡便に測定できる血管機能指標について最近の知見を踏まえながら述べる.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.