心臓の虚血?-病態生理と臨床のはざまを埋める 症状と虚血性心疾患
無症状で注意する必要がある患者"それは虚血なのか" 無症状なのに心臓の虚血?
畑 玲央
1
,
門田 一繁
1倉敷中央病院 循環器内科
キーワード:
糖尿病
,
発生率
,
MRA
,
心筋虚血
,
経皮的冠状動脈インターベンション
,
無症候性疾患
Keyword:
Diabetes Mellitus
,
Incidence
,
Myocardial Ischemia
,
Magnetic Resonance Angiography
,
Asymptomatic Diseases
,
Percutaneous Coronary Intervention
pp.377-382
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017135850
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無症候性心筋虚血は客観的に心筋虚血所見を示すにもかかわらず,狭心痛または労作時息切れなどそのほかの症状を伴わない病態と定義される.冠動脈疾患患者では無症候性心筋虚血が高頻度に認められる.また冠動脈疾患の診断がなされていない患者においてもさまざまな頻度で罹患しており,とくに糖尿病患者においては頻度が高い.無症候性心筋虚血の検査として有用なものは安静時心電図,運動負荷心電図,携帯型心電図,負荷心エコー,負荷心筋シンチグラフィー,冠動脈CT,心臓MRIがあげられる.無症候性心筋虚血の治療において至適薬物療法を実践することが重要であるが,残存心筋虚血がある場合は予後不良であり,心筋虚血範囲が大きい症例に対しては血行再建を考慮することが望ましい.
©Nankodo Co., Ltd., 2017