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特集 急性冠症候群(ACS)におけるPCIの現況
急性冠症候群の冠動脈所見
Angiographic Findings in Acute Coronary Syndrome
上妻 謙
1
Ken Kozuma
1
1帝京大学医学部内科
1Department of Internal Medichine, Teikyo University School of Medicine
pp.461-465
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100045
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はじめに
急性冠症候群には不安定狭心症,急性心筋梗塞,心臓突然死があり,冠動脈粥腫破綻と血栓形成を基盤として発症する冠動脈の狭窄あるいは閉塞による致死的な心臓病である.したがって,急性冠症候群に対しては可及的早期に冠動脈の狭窄や血栓をコントロールする治療,特に再灌流療法と強力な抗血小板療法を必要とし,そのためには正確な病変形態の判断が必須となる.さらに従来目標とされていたTIMI2以上のflowだけではなく,心筋レベルの微小循環が急性冠症候群の予後に影響を与えるとされ,そのためにニコランジルなどの薬物療法,distal protectionなどの末梢塞栓予防が脚光を浴びてきた.特にこういった治療法の治療効果を判定するため,急性冠症候群の造影所見は従来の冠動脈の血管径や血栓像のみならず心筋の染まりや灌流の定量化などの試みがなされてきた.
本稿では,これらの急性冠症候群において認められる造影所見,使用される指標について述べたい.
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