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特集 循環器診療における放射線防護
循環器診療における放射線被ばくの実態―医師と患者
Radiation Exposure in Cardiology: Cardiologist and patient exposure
菊地 透
1
Toru Kikuchi
1
1自治医科大学RIセンター
1Jichi Medical University Radio-Isotope Center
pp.877-883
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101323
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はじめに
医療において放射線の利用は日常的かつ必要不可欠である.また,放射線診療を行う際は,医師と患者の放射線被ばくの管理と放射線障害の防止が重要である.最近,循環器診療における放射線利用も増加しており,冠動脈疾患の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)や,不整脈治療のカテーテル・アブレーション時などに用いるX線透視下でのインターベンション(IVR)治療に伴う放射線被ばくにより,患者の放射線皮膚障害や医師とコメディカルへの放射線影響が懸念される状況が起きている.さらに,X線CT装置の64列以上への多列化により心臓CT検査が急増し,放射性医薬品を投与する心臓核医学検査とCTとの融合画像を用いた診断が実用化されるなど,循環器検査に伴う患者と医師の放射線被ばくも増加傾向にある.
本稿ではこれらの現状を踏まえ,放射線診療を有効かつ安全に活用するために,循環器診療における患者と医師の放射線被ばくの実態と放射線防護の考え方について解説する.また,医療放射線防護連絡協議会が作成した「IVRに伴う放射線皮膚障害の防止に関するガイドライン」1)と,日本循環器学会から,「循環器診療における放射線被ばくに関するガイドライン」2)が作成されているので,これらガイドラインを参考に医療放射線関係者が対応すべき放射線安全についても紹介する.
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