Japanese
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Current Opinion
急性心筋炎の日本における現状―疫学から治療まで
Current Status of Acute Myocarditis in Japan:From epidemiology to treatment
大原 貴裕
1
,
中谷 敏
2
Takahiro Ohara
1
,
Satoshi Nakatani
2
1国立循環器病センター心臓血管内科
2大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻機能診断科学講座
1Division of Cardiology, National Cardiovascular Center
2Department of Health Science, Osaka University Graduate School of Medicine
pp.857-861
発行日 2009年8月15日
Published Date 2009/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101319
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急性心筋炎をめぐる最近1年間の全般的な話題
心筋炎の臨床像は多彩であり,軽症で特に治療を要しない症例から,時に死にいたる重症例まで存在する.軽症例を含めれば,心筋炎は決して発症頻度の少ない疾患ではない.無症候性に,あるいは他疾患に姿を変えて日常臨床上現れている1).しかし,明らかな心筋炎として診断加療を受ける症例は比較的稀である.特に本邦における心筋炎診療の実態は明らかではない.
そこでわれわれは,Webを用いた疾患登録システム(CArdiac Disease REgistration;CADRE)を構築し,本邦における急性心筋炎診療の現状を明らかにすることを試みた.本稿の前半部分では,心筋炎の最近の論文のレビューを行い,後半部分では,これらの現状とCADREで得られた結果と対比して提示したい.
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