Japanese
English
Bedside Teaching
急性心筋炎の診断と治療
Diagnosis and therapy of acute myocarditis
久萬田 俊明
1
,
河合 忠一
Toshiaki Kumada
1
,
Chuichi Kawai
1京都大学医学部第三内科
13rd Division, Inernal Medicine, Kyoto University
pp.553-558
発行日 1990年6月15日
Published Date 1990/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900158
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心筋炎(myocarditis)は心筋の非虚血性炎症障害あるいは免疫学的障害である。従来より本疾患の病因はβ-溶血性連鎖球菌であるとする説が有力であったが1),最近ではそのほとんどがウイルス(とくにCoxsackie Bウイルス)に起因すると考えられている2〜5)。たとえば,ウイルス感染者のうち5%またはそれ以上が心疾患を合併していたり5),急死した417人の成人男子と214人の子供,および40,000人の剖検結果を総合しても,その2.3%〜5.0%がウイルス性心筋炎に罹患していたと思える組織所見を認める5)。急死例のうち原因不明の急性心筋炎(idiopathic myocarditis)に罹患していたと考えられる例はさらに多い。したがって本疾患はそのほとんどがウイルスに起因すると思われるが,原因が明らかでない場合も多くその診断は必ずしも容易ではない。本稿で呈示する症例も病原体を同定することはできなかったが,臨床所見と諸検査から心筋炎と診断した例である。
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