Japanese
English
特集 COPD大規模臨床研究から分かるもの
抗コリン薬
Anti-cholinergic Agents for the Treatment of COPD
藤本 圭作
1
Keisaku Fujimoto
1
1信州大学医学部保健学科検査技術科学専攻生体情報検査学講座
1Department of Laboratory Medicine, Shinshu University School of Health Sciences
pp.779-783
発行日 2009年8月15日
Published Date 2009/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101306
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はじめに
COPDに用いられる気管支拡張薬には抗コリン薬,β2刺激薬,テオフィリン製剤の3種類がある.COPDの病態においては抗コリン薬が最も有効とされ,長時間作用型抗コリン薬であるチオトロピウムが市場に登場してからさらに有効性が高まっている.チオトロピウムの有効性に関して,9つのRCT(randomized control test)を含む69の文献のCochrane review1)によると,①チオトロピウムは長時間作用型β2刺激薬(LABA)との比較で統計学的な有意差はみられていないが,プラセボあるいはイプラトロピウムと比較して,COPDの増悪(オッズ比0.74)および増悪に関連する入院(オッズ比0.64)を有意に抑制する,②中等症から重症COPDにおいて健康関連QOLと症状スコアを改善させる,③1秒量(FEV1),努力肺活量(FVC)の増加量はプラセボ,イプラトロピウム,LABAと比較して有意に大きい,④1年間のトラフFEV1値の減少量はプラセボおよびイプラトロピウムと比較し30ml少ないことが示されている.有害事象としてはドライマウスの頻度が高いことが挙げられている.
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