書評
―長井苑子 著―間質性肺疾患の外来診療
近藤 康博
1
1公立陶生病院/呼吸器・アレルギー内科
pp.336
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101009
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「間質性肺疾患」多くの読者はこの病気の名前は知っていても,どんな病気? どう診療するの? と,尋ねられると,はたと困ってしまうのではないだろうか.間質性肺疾患は,有効な治療がほとんどない難病も多く含むため,専門家をも悩ませる厄介な病気である.かくいう私も,この悪女のような悩ましい病気に心奪われ,深みにはまり,不惑の年を迎えても,相も変わらず悩める少年のごとく葛藤しているのである.
このような「間質性肺疾患」に対する実践的解説書として作成されたのが本書である.本疾患に20年以上も携わってこられた長井先生の,情熱,臨床経験,知識・エビデンスを駆使しての力作で,先生の多くの難病に苦しむ患者さんに対する深い愛情からうまれたものである.先生の属する京都大学間質性肺炎グループの世界に誇る臨床データも,随所にちりばめられている.私自身,本書から多くを学ぶとともに長井先生の難病に立ち向かう医師としての姿勢に強い感銘を覚えた.
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