Japanese
English
Bedside Teaching
奇異性塞栓症
Paradoxical Embolism
河村 朗夫
1
Akio Kawamura
1
1慶應義塾大学医学部循環器内科
1Department of Cardiology, Keio University School of Medicine
pp.201-206
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100984
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はじめに
奇異性塞栓症(paradoxical embolism)とは,静脈系で形成された血栓が右左シャントを介して動脈系へと流入し,動脈塞栓を生じる病態をいう.静脈系,特に下肢静脈で形成された血栓が遊離して中心静脈に流出しても,右左シャントが存在しなければ豊富な肺の血管床により捕捉され臨床上大きな問題になることは少ない.しかし,右左シャントが存在すると,脳,冠動脈,腎臓など主要臓器への塞栓を生じ重篤な虚血症状を来すことがある.
本稿では,奇異性塞栓の原因として最近注目を浴びている卵円孔開存を中心に,その病的意義,関連する病態,治療法などにつき紹介する.
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