Japanese
English
特集 心血管疾患とエージング
高齢者の弁膜症
Elderly Patients with Valvular Heart Disease
久米 輝善
1
,
吉田 清
1
Teruyoshi Kume
1
,
Kiyoshi Yoshida
1
1川崎医科大学循環器内科
1Division of Cardiology, Kawasaki Medical School
pp.1215-1220
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100919
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
心臓弁膜症は,虚血性心疾患とともに古くから臨床心臓病学の中心をなしてきた疾患群であるが,高齢化社会の到来により弁膜症の疫学は大きく変化しつつある.厚生労働省が発表した2005年度版完全生命表では,日本人の平均寿命が男性で78.56歳,女性は85.52歳であり,わが国は女性が世界1,男性が世界第4位の長寿国家である.このような平均寿命の延長に伴い,現在では5人に1人が65歳以上の高齢者であり,加齢変性や硬化変性に関連する弁膜症が増加している.特に加齢変性による僧帽弁閉鎖不全や硬化変性による大動脈弁狭窄,虚血性心疾患に伴う虚血性僧帽弁閉鎖不全が,日常診療のなかで遭遇する機会の多い疾患となっている.
本稿では,今後ますます増加していくであろう高齢者の弁膜症について,高齢者の病態の特殊性,異常所見の判断基準,治療適応への考え方を中心に述べる.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.