Japanese
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Current Opinion
吸入ステロイドの副作用
Adverse Effects of Inhaled Steroids
近藤 哲理
1
Tetsuri Kondo
1
1東海大学八王子病院呼吸器内科
1Department of Medicine, Tokai University Hachioji Hospital
pp.455-459
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100780
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吸入ステロイドをめぐる最近1年間の話題
吸入ステロイド(ICS)は気管支喘息治療の基幹薬剤であるのみならず,近年はCOPDにも一定の役割が認められている1).ICSの全身的副作用が内服のステロイドと比較して少ないことは当然であるが,副腎抑制,骨密度低下,小児の成長障害などの全身的副作用の発生する可能性は依然として残る.より頻度の高い局所的副作用には口腔・咽頭カンジダ症,咳嗽,嗄声,気道粘膜変化,気道易感染性などがある.この他に発生し得る副作用としては皮膚(菲薄化,痣のできやすさ),眼症状(白内障・緑内障),代謝変化,血液系・免疫系への影響などがあり,精神作用の可能性も存在する.Fosterら2)は,患者が感じる吸入ステロイドの副作用は予想以上に多く,その頻度は高用量吸入患者で高く,恐らく緑内障や白内障を反映している視力障害は高用量患者の47%に認められたと記している.また,高用量治療患者では歯の腐食による喪失の頻度が高いことを新知見として述べている.ICSの副作用に関する最近の原著論文は多くなく,特に目新しい知見はない.しかし,ICSの副作用に関しては総説が多数発表されているので,それらを踏まえて最近の状況を解説する.
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