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Current Opinion
肺癌の画像診断―FDG-PETの可能性について
FDG-PET in Non-small Cell Lung Cancer
瀬戸 貴司
1
,
後藤 功一
2
Takashi Seto
1
,
Kouichi Goto
2
1東海大学医学部内科学系呼吸器内科
2国立がんセンター東病院呼吸器科
1Department of Pulmonary Medicine,School of Medicine, Tokai University
2Department of Respiratory, National Cancer Center Hospital East
pp.935-938
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100722
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肺癌の画像診断をめぐる最近1年間の話題
CT scanをはじめ,画像診断機器の進歩により,サイズが小さい肺癌の発見やより正確な病期診断が可能になってきた.しかし,いまだ検出された病変の質的診断が十分にできているわけではない.
FDG-PETは存在診断と細胞活性の情報が得られる検査法で,全身撮影が可能なPET装置の開発などにより,形態診断(従来のCTによる診断)を凌駕する報告などがみられるようになった.腫瘍細胞では,正常組織に比べ糖代謝が亢進していることが知られている.ブドウ糖類似物質である18FDG(fluoro deoxy glucose)は細胞内に取り込まれリン酸化された後,FDG-6-PO4の形でそれ以上の分解を受けずに細胞内に滞留する.FDG-PETは糖代謝の活発な細胞に強く集積するという原理で腫瘍細胞を検出する機器である.視覚的にバックグラウンド集積などとの比較で集積程度を判定する定性的な評価法や投与量と体重で補正したstandardized uptake value(SUV)を算出し,基準値以上を示すものを悪性とする評価法などが試みられている.
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