Japanese
English
装置と方法
血管新生過程の観察―NDフィルターの利用による観察域の拡大
Expansion of the Observation Field by using a ND Filter in an Angiogenesis Study
鈴木 豊
1
,
冨澤 康子
2
,
小森 万希子
3
,
高田 勝美
3
Yutaka Suzuki
1
,
Yasuko Tomizawa
2
,
Makiko Komori
3
,
Katsumi Takada
3
1東京女子医科大学映像情報部研究所写真室
2東京女子医科大学心臓血管外科
3東京女子医科大学麻酔科
1Imaging Information Research Center, Tokyo Women's Medical University
2Department of Cardiovascular Surgery, Tokyo Women's Medical University
3Department of Anestheology, Tokyo Women's Medical University
pp.507-510
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100661
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はじめに
血管新生研究において重要な点は新生した血管を客観的に証明することである.新生してくる血管を非侵襲的経時的にしかも直視下に観察することが難しいため,血管新生研究の基礎および臨床研究では間接的な証明に頼ることが多い.非侵襲的にin vivoの血管観察が可能な“窓”としてrabbit ear chamber(REC)モデルが昔から用いられてきた1).しかし,観察窓モデルでは窓の中心部と周辺組織内の透過光量が違いすぎるために,写真撮影時に中心部と周辺の組織内における血管走行を同一観察野内に連続してとらえることは困難であった.透過光量の異なっている連続した観察野を同時に連続して撮影するために,両者の濃度差を極力近似させる必要がある.
このたび色調を変化させずに透過光量を減少させることにより,光量をコントロールすることが可能であるNeutral density filter(中性濃度フィルター,NDフィルター)を応用することにより,ウサギ耳介に作成したRECおよびその周辺組織を同一視野で観察することを可能にした.本研究は血管新生研究において客観的評価に有用であることが示唆されたため報告する.
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