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綜説
COPDにおける去痰薬の意義―メカニズムから臨床まで
Role of Mucoregulating Agents in COPD:From bench to bedside
玉置 淳
1
Jun Tamaoki
1
1東京女子医科大学第一内科
1First Department of Medicine, Tokyo Women's Medical University
pp.1263-1269
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100598
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はじめに
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は慢性気管支炎と肺気腫を総称する病態であるが,なかでも慢性気管支炎は,“2年以上にわたる持続的な痰の喀出”と定義されているように,長期間にわたる気道分泌亢進を主徴とする代表的な疾患である.慢性気管支炎における気道分泌液は一般に粘稠度が高く,気道粘膜傷害に基づく線毛運動能の低下と相まって喀痰喀出障害を引き起こす.また,粘液線毛輸送が障害されることにより気道感染の反復が助長され,さらに過剰な分泌物が気管支腔内に貯留すると閉塞性換気障害を来し疾患の急性増悪の要因ともなる.そこで本稿では,COPDにおける気道分泌亢進のメカニズムと,かかる病態に対する治療薬の一つである去痰薬の役割について解説する.
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