Japanese
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綜説
冠動脈インターベンションの新しい抗血小板療法―クロピドグレル(Clopidogrel)の話題
Novel Antiplatelet Therapies in Percutaneous Coronary Intervention
河村 朗夫
1
Akio Kawamura
1
1Department of Cardiovascular Medicine, Lahey Clinic Medical Center
1Department of Cardiovascular Medicine, Lahey Clinic Medical Center
pp.193-198
発行日 2007年2月15日
Published Date 2007/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100538
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冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention;PCI)は,ステントの導入により急性冠動脈閉塞,緊急バイパス術といった合併症が激減し,より安全な治療法となった.また,2004年より本邦においても薬剤溶出性ステント(drug-eluting stent;DES)が認可され,ステント再狭窄の問題も克服されようとしている.ステントが登場した当初はステントの血栓性閉塞が高率に認められたが,ステントの高圧拡張が導入されたことに加えて,アスピリンとチクロピジンによる抗血小板療法が用いられるようになり,その頻度は1%以下にまで減少した.しかし,チクロピジンには肝障害,無顆粒球症,あるいは血栓性血小板減少性紫斑病といった,ときには死に至る重篤な副作用が稀にみられ安全性の面での懸念がある.
これに対して新しいチエノピリジン系薬剤であるクロピドグレルは,こうした副作用の発生頻度が低く,欧米ではステント留置後の標準的治療法としての地位を確立している.本稿ではクロピドグレルに関する最新の知見を中心に,PCIに関する抗血小板療法について概説する.
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