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特集 気管支鏡手技を用いた医療の最新動向
気管支鏡による肺癌早期診断技術の検討
Development in Bronchology:Advancement of new bronchoscope technology
渋谷 潔
1
,
安福 和弘
1
,
中島 崇裕
1
,
千代 雅子
1
,
藤澤 武彦
1
Kiyoshi Shibuya
1
,
Kazuhiro Yasufuku
1
,
Takahiro Nakajima
1
,
Masako Chiyo
1
,
Takehiko Fujisawa
1
1千葉大学大学院医学研究院胸部外科学
1Department of Thoracic Surgery, Graduate School of Medicine, Chiba University
pp.145-154
発行日 2007年2月15日
Published Date 2007/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100532
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はじめに
肺癌の治療成績をみると,早期の段階で発見,治療を行わないと満足のいく結果は得られてはいない.わが国においては肺癌検診を中心に,胸部X線写真や喀痰細胞診,現在では胸部X線CTも行われるようになり,肺門部早期肺癌や末梢の小型肺癌が多数発見されるようになった.これらのなかで主に喀痰細胞診を契機に精査が行われる中枢気道病変の確定診断には気管支鏡が必須である.従来の白色光単独の検査では病変の同定に困難があったが,蛍光気管支内視鏡の発展とともに気管支の微小病変の高い診断率が報告されている1,2).
われわれも,蛍光気管支内視鏡2~5)あるいは拡大気管支ビデオスコープ6,7),高解像度気管支ビデオスコープ8)を日常の臨床に使用し,その有用性を報告してきた.新しい特殊な光として,蛍光を発生させる青色の光に加え,青色と緑色の狭帯域光を用いるNarrow Band Imagingが開発され実用化されている7,8).更に近年,超音波気管支鏡の発展9~12)に伴い,中枢気道病変および末梢病変に対する新たな評価が可能となった.
本稿では,肺癌の早期診断あるいは病期診断に関わる最新の気管支内視鏡診断法について述べる.
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