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特集 臨床研究・大規模研究の進め方
日本における急性心筋梗塞のエビデンス
Evidence of Acute Myocardial Infarction in Japan
小島 淳
1
,
丸吉 秀朋
1
,
小川 久雄
1
Sunao Kojima
1
,
Hidetomo Maruyoshi
1
,
Hisao Ogawa
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部循環器病態学
1Department of Cardiovascular Medicine, Faculty of Medical and Pharmaceutical Sciences, Kumamoto University
pp.277-284
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100516
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はじめに
Evidence-based medicineが意味するところは,科学的根拠に基づく効果的で質の高い患者中心の実践ということである.われわれはこれを目指してこれまでにいくつかの大規模臨床研究を行っており,また現在進行中のものもある.以前日本でも大規模臨床試験に裏付けされた事実に基づき,心筋梗塞二次予防に関するガイドラインが作成されたが1),参考とされたものはほとんどが海外のものであった.海外で得られたデータを,人種が異なる日本人においても当てはめることができるのかいささか疑問を感じる点もあり,日本人のためのエビデンスというものが必要であることは以前から多くの臨床の現場で求められていた.欧米を中心に行われた大規模臨床研究結果の蓄積に伴い,ここ数年,虚血性心疾患の治療戦略はエビデンスに基づくものへと変わってきており,わが国でも少しずつではあるが循環器疾患の大規模臨床試験の結果が発表されるなど,わが国独自のエビデンスも生まれつつある.
本稿では,われわれが主に関与してきた心筋梗塞後の二次予防に関する大規模臨床試験について提示し,これまでの経験から得られた大規模臨床試験成功への秘訣を述べる.
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