Japanese
English
Bedside Teaching
運動負荷試験の現状
Recent Advances in an Exercise Tolerance Test
小松 佳道
1
,
藤本 圭作
1
Yoshimichi Komatsu
1
,
Keisaku Fujimoto
1
1信州大学医学部内科学第一講座
1First Department of Internal Medicine, Shinshu University School of Medicine
pp.1333-1339
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100506
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はじめに
運動負荷試験とは,患者に一定の運動を負荷させ,その時の呼吸循環動態を調べることにより呼吸困難の原因や運動能力を評価する検査である.最近では呼吸リハビリテーションの評価に積極的に用いられるようになってきた1).運動負荷試験の意義として,①運動能力(運動耐容能)を評価できる,②運動を制限している因子(limiting factor)を特定できる,③運動時にみられる呼吸困難など実際の症状を再現できる,④運動時の低酸素血症や運動誘発性喘息など,潜在性の病変の診断にも有用,⑤治療法の選択・効果の評価に有用,⑥運動処方の指標となる,などが挙げられる.特に運動耐容能は,臨床所見や静的状態での肺機能検査から予測することは困難であることが知られており,その評価に際して運動負荷試験は重要な位置を占めている.運動負荷試験の方法は,運動負荷を与える機械を用いず簡易に行う時間内歩行試験と,自転車エルゴメーターやトレッドミルなどの運動負荷を与える機器を用いて行い,負荷を段階的に増やす漸増運動負荷試験および一定の負荷を与える定常運動負荷試験などがある.
本稿では,運動負荷試験の実際とその意義を最近の知見を交えて述べる.
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