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特集 心臓サルコイドーシス診療の新しい展開
心臓サルコイドーシスの病理形態
Pathomorphology of Cardiac Sarcoidosis
寺崎 文生
1
,
北浦 泰
1
Fumio Terasaki
1
,
Yasushi Kitaura
1
1大阪医科大学内科学III
1Department of Internal Medicine III,Osaka Medical College
pp.947-954
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100452
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はじめに
サルコイドーシスは原因不明の全身性多臓器疾患で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を特徴とする.わが国では心臓サルコイドーシスの頻度が高く,重症心不全や致死的不整脈により死因として極めて重要である1,2).したがって,心臓サルコイドーシスの治療と予後においては特に早期診断が重要であるが,心臓以外の臓器病変が明らかでない場合,その早期診断は困難で,心臓手術の後3,4)や死後剖検で明らかになることも多い.また,心臓サルコイドーシスの活動性や治療効果の判定も確立しているとは言えない.
われわれは,以前より重症拡張型心筋症と診断され左室縮小形成術が施行された症例の切除心筋を用いて病因論的および病理組織学的検索を行ってきた3).その結果,左室縮小形成術などを受けた非虚血性拡張型心筋症のうち約7%が心臓サルコイドーシスと判明した.この頻度は看過できないものである.
本稿では,心臓サルコイドーシスの診断・治療にできるだけ寄与するべく,自験例を含めてその病理形態について記載する.
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