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特集 非結核性抗酸菌症の病態と治療
非結核性抗酸菌症の治療
Treatment of Non-tuberculous Mycobacteriosis
倉島 篤行
1
Atsuyuki Kurashima
1
1独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器科
1Department of Respiratory Diseases, National Tokyo Hospital
pp.589-596
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100312
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現時点でのベストの治療法
わが国で遭遇する非結核性抗酸菌症の7~8割はMycobacterium avium complex;MACで,残りの大多数がM.kansasii症である.M.kansasii症治療は,ほとんどの場合標準的な結核症治療であるRFP,INH,EB計1年間あるいは菌陰性化後1年間で奏効率は高く,その他の菌種を含めここでの詳述は避ける.
肺MAC症治療で,現在までエビデンスとしての報告は,英国胸部学会(BTS)が主導し全ヨーロッパ的に行われたHIV陰性の非結核性抗酸菌症患者における無作為対照比較臨床治験成績のみである.BTSは2001年に,HIV陰性かつ2回の培養陽性が確認された肺M.avium intracellulare症,肺M.malmoense症,肺M.xenopi症を対象にしたREおよびREHの二つのarmの2年間化学療法,3年間追跡のfirst randomized controlled trialの結果を発表した1).これによれば,MACの場合,75例がentryし,RE群が37例,REH群が38例で開始され,それぞれ6例と8例が脱落し,5年間にMAC症による死亡はREH群で3例みられ,24カ月後でも菌陽性はRE群で7例,REH群で4例,再排菌はRE群で8例,REH群で2例で,5年後生存かつ菌陰性例はRE群で31例中10例(32.3%),REH群で30例中13例(43.3%)であった.
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