Japanese
English
綜説
自己弁温存手術の進歩
Advances of Native Valve Sparing Operation
新沼 廣幸
1
,
川副 浩平
1
Hiroyuki Niinuma
1
,
Kohei Kawazoe
1
1岩手医科大学附属循環器医療センター
1Memorial Heart Center, Iwate Medical University
pp.497-504
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100300
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はじめに
心臓弁膜症に対する外科治療は,手術手技の進歩とともに弁の硬化,変形や変性などが軽度である場合には,自己弁温存手術-弁形成術が選択されることが多くなっている.人工弁置換術の長期成績は安定し確立された治療法であるが,術後の血栓塞栓症,溶血,感染性心内膜炎,抗凝固薬内服を終生必要とし,出血防止のため厳重な管理を必要とするなどの問題点は依然として解決に至っていない.自己弁を温存する最大の利点は,抗凝固療法を不要とし術後脳出血の危険性を軽減できることである.さらに,厳格な抗凝固薬療法や食事制限を必要としないため,患者に計り知れないQOLの向上をもたらす.
本稿では,自己弁温存手術の進歩について,経カテーテル手術やロボット手術にも触れながら文献的考察を含めて述べる.
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