Japanese
English
綜説
小動物の呼吸機能検査
Pulmonary Function Tests in Small Animals
平井 豊博
1
Toyohiro Hirai
1
1京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
1Department of Respiratory Medicine, Kyoto University Graduate School of Medicine
pp.375-383
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100189
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はじめに
従来,肺の生理学的研究はもっぱらイヌをはじめとする大型動物で行われてきた.これに対し,分子生物学的,遺伝子学的研究においては,遺伝的背景がより明らかで操作可能であり,また対象数を多く確保できて取り扱いも容易であるなどの理由から,マウスやラットなどの小動物が実験動物として主に使われている.このような実験動物の小型化に伴って,実験動物の機能的なモデルの妥当性や薬剤の肺機能に対する評価など小動物における呼吸機能検査の必要性が増してきた.しかし,小動物の肺機能測定は,その小ささゆえに大型動物にはない困難さがある.従来は,各研究施設が手作りに近い形で測定方法が報告されてきたが,最近では市販の肺機能測定装置も充実してきた.特にパーソナルコンピュータの進歩に伴い,より操作が容易で,迅速で正確な測定とデータ解析が可能となった.
本稿では,小動物の呼吸機能検査法の基本とその応用について解説する.
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