Japanese
English
特集 ACE阻害薬を見直す
ACE阻害薬による糖尿病発症予防効果
About a Diabetes Onset Prevention Effect by Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitor
川井 真
1
,
望月 正武
1
Makoto Kawai
1
,
Seibu Mochizuki
1
1東京慈恵会医科大学循環器内科
1Division of Cadiology, Department of Internal Medicine, Jikei University of School of Medicine
pp.355-363
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100185
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
単なる高血圧治療にとどまらず,心筋梗塞後のリモデリング予防や腎保護作用などの多岐にわたる治療薬としてその効果が認められ頻用されることとなったACE阻害薬カプトプリルが登場してから約30年が過ぎようとしている.しかし,後発のアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)が登場してからの10年は,咳嗽などの好ましくない作用のためレニン・アンジオテンシン系の抑制による治療薬としては,ACE阻害薬よりもARBが好まれつつある現状となった.作用機序の非常に近い両薬剤は常に対比されるようになり,特に海外では両薬剤に対する多くの大規模臨床試験の成績が発表されているが,最近になりインスリン抵抗性改善作用や糖尿病患者における効用が注目されている.
ACE阻害薬がARBに取って代わられようとしている今,耐糖能障害・インスリン抵抗性病態に対する効果を中心に,循環器疾患に及ぶリスクを交えながらACE阻害薬とARBの相違点を比較検討する.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.