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特集 心臓画像の三次元化―その到達点と問題点
3D心エコー法
Three-Dimensional Echocardiography
神崎 秀明
1
Hideaki Kanzaki
1
1国立循環器病センター心臓内科
1Cardiology Division of Medicine, National Cardiovascular Center
pp.1005-1010
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100106
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現在最も一般的な心エコー法では,本来立体構造である生体を二次元平面(Bモード心エコー図)で画像化し(いわゆる断層心エコー図),それを頭のなかで再構成することによって診断を行うことを原則としてきた.しかしながら,リアルタイムでこの作業を行うには,対象が単純で既知の構造に近く,限局した異常であればよいものの,複雑な構造や運動をしていたり,正常とあまりにもかけ離れて未知の構造をしている場合には想像力の限界を超えてしまう.したがって,小児奇形や異常構造物の理解には,これまで長年のトレーニングを要したが,近年の画像処理ハードウェア・ソフトウェア技術の目覚しい進歩に伴い,感覚的に理解しやすい三次元画像(3D)が日常臨床レベルで使用可能になってきた.
新しい3D画像の再構築システム開発
かつて画像データ収集は,心エコー診断装置に市販の三次元画像構築用コンピュータ(Tomtec社製エコースキャン)を接続して行われ,そしてオフラインによる後解析にて三次元再構築を行っていた.画質は十分満足のいくものであったが(図1),その後一般化したとはいえなかった.3D画像構築に必要な多断面の二次元画像データ収集のため,固定した探触子をその場で数分間かけて回転させる必要があったが,呼吸や体動で回転軸がぶれたり,二次元画像の画質が不良であると再構築された3D画像は評価に耐えないものであった.そして画像データ収集中は3D画像を確認することができない,また画像再構築作業もコンピュータ・アシストではあったが,かなりの慣れが必要であったことなどが,その普及を妨げた理由と思われる.
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