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Current Opinion
急性心筋梗塞におけるdistal protection―その問題点と適応
Indication and Current Problems of the Distal Protection Device for Acute Myocardial Infarction
小谷 順一
1
Jun-ichi Kotani
1
1関西労災病院循環器科
1Cardiovascular dividion of the Kansai Rosai Hospital
pp.631-634
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100071
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急性心筋梗塞に対する治療とdistal protectionをめぐる最近1年間の話題
急性心筋梗塞に対する治療はこの数年で大きく変化してきた.その目的は,通常の狭心症治療における再治療率の軽減を考慮した虚血改善のみではなく,急性期および慢性期の死亡率軽減にある.急性心筋梗塞に対する治療は,血栓溶解療法に代わりバルーンによる拡張術が普及し,やがてステントが導入されるに至った.これによって致死的合併症である急性期冠再閉塞は激減し,遠隔期の再狭窄および再閉塞率も明らかにバルーン単独による治療と比較し良好な結果が得られるようになった.
このように,機器の進歩とともに急性期の予後は改善されることが血栓溶解療法とバルーンによる形成術を比較したPAMI試験や,バルーン単独による治療とステント留置を行った群との比較試験であるPAMI stentといった大規模臨床試験で明らかとなってきた1,2).また,薬剤によるインターベンションもGP IIb/IIIa inhibitorといった強力な抗血小板剤の臨床応用が導入され,待機的PCIにおいてはその有用性が証明されてきた3,4).
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