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特集 急性冠症候群(ACS)におけるPCIの現況
急性冠症候群におけるDistal Protection Device
Usefulness of the Distal Protection Device for Acute Coronary Syndrome
伊藤 良明
1
,
村松 俊哉
1
Yoshiaki Ito
1
,
Toshiya Muramatsu
1
1川崎社会保険病院循環器科
1Department of Cardiology, Kawasaki Social Insurance Hospital
pp.489-495
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100049
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はじめに
急性心筋梗塞(acute myocardial infarction:AMI)に対する冠インターベンションによる再灌流療法の有用性は既に確立しつつある.一方で,再灌流療法後に閉塞血管の拡張に成功しても良好な再灌流血流が得られないno-reflow現象や末梢塞栓を生じる例が存在する1,2).これらの症例は急性期あるいは長期予後が不良であることから3),これらの合併症を回避予防することは臨床上重要な課題である.
AMIの際に生じるno-reflow現象の原因として冠インターベンションに伴う血栓や冠動脈プラークの末梢塞栓が挙げられている4).末梢塞栓を予防するdistal protection deviceはno-reflow現象を予防し,さらには臨床予後も改善するdeviceとして期待されている.
本稿ではacute coronary syndrome,特にAMIにおけるdistal protection deviceの有用性について概説する.
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