肝胆膵領域における最新の画像診断
肝胆膵領域におけるFDG-PETの役割
松本 逸平
1
,
白川 幸代
,
山田 勇
,
外山 博近
,
新関 亮
,
味木 徹夫
,
福本 巧
,
具 英成
1神戸大学 肝胆膵外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝内胆管
,
病的狭窄
,
リンパ行性転移
,
胆管癌
,
胆管疾患
,
胆管腫瘍
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
陽電子放射型断層撮影
Keyword:
Bile Duct Diseases
,
Bile Duct Neoplasms
,
Bile Ducts, Intrahepatic
,
Constriction, Pathologic
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Lymphatic Metastasis
,
Cholangiocarcinoma
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Positron-Emission Tomography
pp.187-195
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011113932
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2010年4月より2-deoxy-2-(F-18)fluoro-D-glucose positron emission tomography(FDG-PET)はすべての悪性腫瘍を対象に保険収載され、肝胆膵領域でも使用する機会が急増している。本領域では特に癌の再発・転移の早期発見や化学療法、放射線療法の効果判定など利用範囲は広い。反面、リンパ節・微小肝転移の検出率は必ずしも高くないこと、炎症性疾患に対する偽陽性の問題などからFDG-PET単独での診断には課題が残る。したがって、質的診断や癌の術前病期診断としては、現時点ではあくまでも補助診断にとどめ、臨床所見、CTやMRIなどのほかの画像診断とあわせて総合的に診断にあたることが肝要である。一方、PET-CTについては多列検出器CTとの組み合わせによりPET画像との融合が可能となり、機能と形態の両面で今後さらなる精度の向上が期待されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2011