Japanese
English
増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
画像所見
胃:白色光通常観察
腸上皮化生
intestinal metaplasia
上尾 哲也
1
,
都甲 和美
2
1大分赤十字病院消化器内科
2大分大学医学部附属病院消化器内科
pp.536
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202739
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
腸上皮化生は,H. pylori慢性胃炎により胃粘膜が吸収上皮である小腸上皮の特徴を持つ粘膜に変化した状態で,分化型胃癌のリスク因子として重要である.通常観察(白色光)による腸上皮化生の典型像は,萎縮性胃炎を背景に,主に幽門前庭部に観察される灰白色扁平隆起の石畳状配列から成る所見である(Fig.1a).いわゆる横山・竹本ら1)の特異型腸上皮化生と呼称されるものであり,このような特異型腸上皮化生は萎縮性胃炎の進展に伴い胃体部にも拡がる.しかし,通常観察(白色光)のみでは組織学的腸上皮化生の診断能に限界があり,現在では画像強調内視鏡を用いた評価が推奨されている.Uedoら2)が報告したNBI併用拡大観察によるLBC(light blue crest)は腸上皮化生の刷子縁を反映し,Yaoら3)が報告したWOS(white opaque substance)は腸上皮化生が吸収した脂肪滴を反映しており,これらの所見を用いた腸上皮化生の診断が有用である.LBC,WOSについては他項も参照されたい.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.