カラーグラフ 内視鏡的色素シリーズ・4
腸上皮化生
川井 啓市
1
,
井川 和徳
2
,
奥田 順一
2
1京都府立医科大学公衆衛生
2岐阜歯科大学第2内科
pp.590-591
発行日 1979年5月20日
Published Date 1979/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207155
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腸上皮化生とは胃の粘膜に出現する腸型上皮をいい,形態的には小腸上皮と同様の組織像を呈する.現在,慢性胃炎の終末像として,また胃の前癌性病変として注目されている病変である.
従来,腸上皮化生の診断は切除胃組織の検索が主であり,内視鏡的には一部の特殊型を除いて診断の対象とならなかつた.しかし,私どもが生体染色色素剤であるmethylene blue(以下MB)が腸上皮化生粘膜に特異的に吸収されることを発見して以来,内視鏡的にあらゆる型の腸上皮化生が診断可能となつて来た.この腸上皮化生を診断するMB染色法は表に示すように,簡便かつ確実で再現性もよい.内視鏡下の観察ではMBを吸収した腸上皮化生粘膜は青変して赤色調を示す胃粘膜から容易に識別され,青染部が腸上皮化生部,非染部が非腸上皮化生部である.
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