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上部消化管用内視鏡の最新機種は,CMOS(complementary metal-oxide semiconductor)センサーを搭載したことによりデジタル化が可能となり,高画質化が図られている.カタログなどにはGIF-XZ1200(オリンパス社製)は4K対応32インチモニターで光学ズームの最大倍率が125倍,EG-L600ZW7(富士フイルム社製)は19インチモニターで135倍などと記載されているが,拡大倍率はモニターサイズで変わるため相対的な指標にすぎない.解像力を比較するには最大分解能を表す必要がある.USAF解像力チャートを用い,EG-L600ZW7の光学拡大を最大にし,チャートとスコープ先端の距離を約1.5mm,画像強調モードをすべて0として15インチモニター(CDL1576A-1A,Totoku Electric社製)を用いて最大分解能を計測したところ,5μmであった1).GIF-XZ1200でも類似した結果であったとされている.食道粘膜は胃の腺上皮のような特徴的な構造に乏しいため,微細血管形態を評価する診断学として成り立ってきた.赤血球径7〜8μm,健常な上皮下乳頭内血管(intra-epithelial papillary capillary loop ; IPCL)は径約10〜15μmの毛細血管であり2),赤血球もIPCLも十分解像可能であることがわかる.
食道は呼吸性移動や心拍動も激しく管腔と接線方向になりやすいため,内視鏡観察の際には先端フードの装着が必須である.例えばMAJ-1989(オリンパス社製),もしくはDH-35GZ(富士フイルム社製)などを装着する.フードはスコープ先端から1〜2mm出ていれば十分で,通常観察画面の視野にかからないところまで押し込んで装着する.
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