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増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021
大腸
治療
全層切除術
Colorectal Endoscopic Full Thickness Resection
鈴木 桂悟
1
,
斎藤 彰一
1
1がん研有明病院下部消化管内科
pp.782-783
発行日 2021年5月24日
Published Date 2021/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202457
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内視鏡的全層切除(endoscopic full thickness resection ; EFTR)は上部消化管領域では腹腔鏡内視鏡合同手術(laparoscopy and endoscopy cooperative surgery ; LECS)を中心に広く行われるようになり,多くの手法が開発されてきたが,大腸ではいまだ十分に確立されてはいない.
大腸EFTRの適応となりうる症例としては“内視鏡治療困難な粘膜内病変”と“粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)”が挙げられる.前者は具体的に,①虫垂内や憩室内に進展した病変,②高度の線維化症例,③筋層牽引所見を有する隆起型腫瘍が考えられる.①は全層切除のよい適応と考えられる.②に関しては欧米では適応とされているが,本邦においてはpocket-creation methodやtraction device,water pressure methodなどの工夫により内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection ; ESD)で一括切除できる症例が増えており,EFTRの適応となる症例は少ない.③のような病変は深達度診断が難しく,根治切除を目的としているEFTRでは適応としづらい.
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