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増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021
大腸
診断
拡大内視鏡(炎症)
Magnifying Endoscopy for Inflammatory Bowel Disease
松本 主之
1
1岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野
pp.724-725
発行日 2021年5月24日
Published Date 2021/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202430
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歴史
1970年代に一部の施設で拡大大腸ファイバースコープの試作機が用いられ,炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease ; IBD)の直腸病変を対象とした拡大内視鏡所見が報告された.ただし,画像解像度の問題があり,臨床応用されることはなかった.その後,大腸上皮性腫瘍の拡大観察の普及とともに,IBDの拡大内視鏡所見が改めて注目された.特に1990年代前半から中盤にはCrohn病の微小病変の拡大内視鏡所見と臨床的意義が検討された.一方,1990年代中盤以後,現在に至るまで潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis ; UC)の拡大内視鏡所見が注目され,解像度の高い内視鏡の開発に伴い,拡大所見と組織学的重症度,および臨床経過との関係が検討されてきた.
IBDの拡大観察では光学拡大鏡が用いられるが,画像強調観察法は色素法や光デジタル法など多彩である.さらに,近年ではEC(endocytoscopy)を用いた観察も可能となった.拡大観察の主な目的は組織学的重症度の推定,およびUC関連腫瘍の診断であり,今後は後者がより重要な課題となると思われる.
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