--------------------
編集後記
蔵原 晃一
1
1松山赤十字病院胃腸センター
pp.1323
発行日 2019年8月25日
Published Date 2019/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201830
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
近年,一般臨床において消化管X線造影検査が行われる機会は減少しつつある.胃X線検診を除くと,消化管スクリーニング検査の主役は内視鏡となり,X線造影検査の多くは,一部の施設において,内視鏡により拾い上げられた症例の精密検査・術前検査の一つとして施行されているのが現状であろう.また,X線造影検査は技術的な習熟に時間と経験を要するため,造影検査を施行している施設においても撮影技術の継承に苦慮している場合が少なくないと思われる.
一方,X線造影検査は,充盈像,二重造影像と圧迫法の併用により,腫瘍性病変と炎症性疾患のそれぞれにおいて,病変の部位,形態,大きさ,分布,変形や狭窄,周囲臓器との関連などを客観的に評価でき,全体像の把握や鑑別診断に有用で,特に内視鏡が挿入困難な管腔狭小化,あるいは瘻孔形成が予測される疾患の診断や病態把握において内視鏡検査を凌駕している.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.