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編集後記
蔵原 晃一
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1松山赤十字病院胃腸センター
pp.561
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201636
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今世紀初頭のカプセル内視鏡とバルーン内視鏡の導入によって小腸への内視鏡的アプローチが可能となり,小腸疾患の存在診断は容易となったが,質的診断に苦慮することが少なくない.その背景に,小腸は上部消化管や大腸と比較して,腫瘍性病変の中で上皮性腫瘍に比べて粘膜下腫瘍の割合が高いこと,腫瘍性病変に比べて非腫瘍性病変の頻度が高いこと,などが挙げられる.本特集号「知っておきたい小腸疾患」は,小腸疾患診療における質的診断のスキルアップを目標として企画された.本特集号では,十二指腸を除く空腸・回腸の腫瘍性病変と非腫瘍性病変のそれぞれにおいて,鑑別診断の鍵となる疾患を,近年,新しい知見が得られつつある話題の疾患を含め,取り上げた.各疾患の病理組織学的所見と内視鏡所見に精通したい.
まず,序説の斉藤論文では,小腸疾患の分類と鑑別診断が総説としてまとめられた.腫瘍性病変と非腫瘍性病変に分類し,各疾患のX線・内視鏡診断におけるチェックポイントと読影手順が記載された.本序説を熟読のうえ,主題へと読み進めたい.
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