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はじめに
小腸(空腸・回腸)は全長5〜7mの長さを有し,上・下部消化管では観察が困難である.また,小腸腫瘍が消化管腫瘍全体の1〜2%程度と比較的まれである1)ことも相まって,以前は“暗黒大陸”と称されてきた.しかし,バルーン小腸内視鏡(balloon endoscopy ; BE)2),カプセル内視鏡(capsule endoscopy ; CE)の開発・改良により全小腸の観察が可能となり,多くの疾患における病態の解明が飛躍的に進んできた.これらは現在では日常診療には欠かせない重要な検査手技となっており,それらの用い方はエビデンスに基づき「小腸内視鏡診療ガイドライン」3)にまとめられている.
これまでに本誌でも小腸疾患の特集が既に数多く組まれており,2000年以降だけでも,①36巻7号(2001年)「小腸腫瘍—分類と画像所見」,②40巻4号(2005年)「消化管の出血性疾患2005」,③40巻11号(2005年)「小腸内視鏡検査法の進歩」,④41巻12号(2006年)「小腸疾患診療の新たな展開」,⑤43巻4号(2008年)「小腸疾患2008」,⑥44巻6号(2009年)「小腸疾患—小病変の診断と治療の進歩」,⑦45巻3号(2010年)「出血性小腸疾患—内視鏡診断・治療の最前線」,⑧48巻4号(2013年)「カプセル内視鏡の現状と展望」,⑨49巻9号(2014年)「小腸潰瘍の鑑別診断」,⑩53巻6号(2018年)「小腸出血性疾患の診断と治療—最近の進歩」と,小腸疾患への取り組みが盛んに行われてきた.このような状況を背景として,小腸疾患の診断と治療について,現時点における新しい知見を整理し理解を深めておくことは日常臨床においても極めて重要と考えられ,本号は企画された(小腸出血性疾患については2018年に既に取り上げられているため,本号では一部のみ取り上げた).
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