Japanese
English
今月の主題 大腸小・微小病変に対するcold polypectomyの意義と課題
主題
cold polypectomyの意義と課題─私はこう考える:病理医の立場から
Significance and Problem of Cold Polypectomy: From the Pathologist
八尾 隆史
1
Takashi Yao
1
1順天堂大学大学院医学研究科人体病理病態学
キーワード:
cold polypectomy
,
cold forceps polypectomy
,
hot polypectomy
,
切除断端
,
Resect and Discard
Keyword:
cold polypectomy
,
cold forceps polypectomy
,
hot polypectomy
,
切除断端
,
Resect and Discard
pp.1608-1609
発行日 2017年11月25日
Published Date 2017/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201226
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
大腸腺腫のpolypectomyにより大腸癌発生率を低下させることが報告され1),積極的なポリープ切除は臨床的意義が高いと考えられている.欧米では,癌化の危険性が低く,経過観察されるような小さなポリープでさえ,発見したものはすべて切除し,切除病変を未回収のままとして,病理組織診断も行わない“Resect and Discard”という方法が行われており,大腸癌の発生予防やサーベイランスの費用削減にも有効であるとの考えもある2)3).
従来は内視鏡的ポリープ切除では,スネアや生検鉗子を用いる方法,あるいはEMR(endoscopic mucosal resection)やESD(endoscopic submucosal dissection)においても高周波切開凝固装置を用いていたが,最近高周波切開凝固装置を用いないCSP(cold snare polypectomy)あるいはCFP(cold forceps polypectomy)でも遅発性の出血や穿孔の危険が少ないことがわかり,特に1cm以下の小さい病変に対してCSP/CFPが普及しつつある4).当施設でもCSP/CFPは積極的に採用され,筆者自身も3個の大腸ポリープをCSPにより切除していただいた.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.