Japanese
English
今月の主題 知っておきたいまれな大腸良性疾患
主題症例
pseudolipomatosis
Pseudolipomatosis
清水 誠治
1
,
髙島 英隆
1
,
眞嵜 武
2
,
小木曽 聖
1
,
池田 京平
1
,
福田 亘
1
,
上島 浩一
1
,
横溝 千尋
1
,
富岡 秀夫
1
,
石田 英和
3
Seiji Shimizu
1
1大阪鉄道病院消化器内科
2大阪鉄道病院病理診断科
3奈良県総合医療センター病理診断科
キーワード:
pseudolipomatosis
,
腸管気腫症
,
大腸
,
内視鏡
,
生検組織
Keyword:
pseudolipomatosis
,
腸管気腫症
,
大腸
,
内視鏡
,
生検組織
pp.820-823
発行日 2017年5月25日
Published Date 2017/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201087
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疾患の概念
pseudolipomatosisは大腸の粘膜固有層に小空胞が形成される疾患であり,1985年にSnoverら1)が最初に報告した.腸管気腫症の一型として位置付けられる.名称はHE染色標本でlipomatosisに類似することに由来する.組織学的には粘膜固有層内に直径20〜200μmの空胞がみられ,脂肪細胞や拡張したリンパ管に似るが,脂肪滴やリンパ管内皮はみられない(Fig. 1)1)2).
腸管気腫症の代表的な病型である腸管囊腫様気腫症(pneumatosis cystoides intestinalis ; PCI)では粘膜下層や漿膜下層を中心に大小の含気囊胞を形成するが,pseudolipomatosisを合併することもある.しかし,pseudolipomatosis単独の場合は粘膜面から気体が侵入すると考えられ,PCIとは気体の侵入経路が異なる可能性が高い.本邦ではほとんど報告がなく,まれな疾患として扱われているが,認知されるようになれば発見頻度が高くなると考えられる.
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