増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔腸〕
小黄色斑(small yellowish spot)
上野 義隆
1
,
田中 信治
1
1広島大学病院内視鏡診療科
キーワード:
小黄色点
,
拡大内視鏡
Keyword:
小黄色点
,
拡大内視鏡
pp.660
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201007
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定義
潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis ; UC)の活動期内視鏡所見のひとつで,粘膜上の微細な黄味を帯びた点状斑と定義されている.主に軽症のUCの活動部,UCの活動部の境界付近,活動部位の口側に正常粘膜を介して島状に認められる.1960年代直達鏡での観察が行われていた時代に,田島1)により本疾患の初期像として見い出され,報告,命名された.当時は粟粒膿腫あるいは粟粒膿瘍(miliary abscess)とも称されている.厚生労働省研究班の活動期内視鏡所見の軽度に分類される小黄色点と同義である.微小な黄白色の点が密に散在性に存在するが,背景粘膜が発赤している場合,その発見は容易である(Fig. 1〜4).UCの活動性病変の最小単位と考えられている.現在の電子スコープでは黄色ではなく白色点として観察されるが,慣習的に小黄色斑の名称が使用されている.
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