増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔十二指腸〕
胃上皮化生(gastric metaplasia)
金坂 卓
1
,
上堂 文也
1
1大阪国際がんセンター消化管内科
キーワード:
十二指腸
,
異所性胃粘膜
Keyword:
十二指腸
,
異所性胃粘膜
pp.618
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200968
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定義
十二指腸に胃上皮化生が存在することは,1923年にNicholson1)によって初めて報告された.十二指腸粘膜に胃底腺組織と胃型被覆上皮の両者を有するものが異所性胃粘膜,これに対して胃底腺組織を伴わず胃型被覆上皮のみを有するものが胃上皮化生と定義されることが多い.
胃上皮化生は異所性胃粘膜と比較して萎縮性胃炎を合併する頻度が高く〔100%(16/16)vs. 16%(5/32)〕,Helicobacter pylori(H. pylori)陽性率も高い〔92%(12/13)vs. 9%(2/22)〕2).また,十二指腸潰瘍の生検組織の86%(38/44)に胃上皮化生が存在し,その大半にH. pyloriが存在することから,胃上皮化生へのH. pylori感染を十二指腸潰瘍の一因とする報告もある3).
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